潜在看護師とは、看護師資格を持っているのに看護師として働いていない人を指します。一旦離職した看護師の多くは、復職の可能性が低いとされているのです。
多くの有資格者が看護師資格を活かさず埋もれている現状は、看護師不足が深刻化する中で社会的損失が大きいと言わざるを得ません。
潜在看護師になる原因として、まず結婚や出産が挙げられます。家事や子育てに多忙な日々を送った後に復職しても、働けるか不安になることは事実です。
ブランクが3年ほどであれば、復職しても戦力として活躍できるまで時間はかからないでしょう。しかし、復職を決意できないうちに10年も経つと、自分の知識や技術ではカバーできない業務が多くなり、戦力になるまでに相当の時間を要します。
さらに問題となるのは、ミスなどの重大な局面に関わった結果離職し、トラウマとなった場合です。些細なミスで患者の命の危機に陥りかねない仕事であることを、就任後間もなく実体験で認識する人もいます。これでは自信喪失につながり、現場への復職は困難でしょう。
こうした潜在看護師が復職するきっかけとして、日本看護協会が提唱している看護師の労働環境改善が注目されています。これは、正規職員でも夜勤なしの病棟勤務や短時間勤務を認めようという提案です。
離職した看護師が、少しずつ医療スキルを回復するうえで効果的でしょう。このような試みが、復職の意志を持つ潜在看護師に朗報となっているのです。