65歳以上の高齢者が増加傾向にある日本にとって、看護師の確保が喫緊の課題です。その中で、看護師資格を得ているにも関わらず、出産や育児などの理由から現場を離れている潜在看護師が注目されています。
こうした潜在看護師が現場に復職することで、医療機関における人材不足を解消するためのたすけとなるでしょう。しかし、実際には過酷な労働環境への対応能力などが課題となり、潜在看護師の復職が難しいと考えられているのも事実です。
また、潜在看護師が抱える課題の1つに、体力上の問題があります。出産や育児などで数年間現場から離れているうえに、仕事をしながら子どもの育児もするとなると、離職前と同感覚で働くことは現実的に不可能です。
そこで、外来や福祉施設といった短時間で働ける部署での採用を増やす工夫が、採用する側には求められます。加えて、医療の知識や技術は常に発展しているため、何年も前の知識や技術では業務に対応できない場面も出てくるでしょう。
このような潜在看護師に向けた研修やセミナーを実施する環境を、採用する側から積極的に提供する必要があります。
潜在看護師は、多くの場合で看護師としての勤務経験を有していることが最大の特徴です。その経験は、総合病院以外の現場、例えば地域密着のクリニックや福祉施設といった環境でも活かせます。
潜在看護師の復職自体が、医療機関の人材不足解消や新しい働き方を提供するための鍵となるでしょう。